なぜ、甲状腺機能亢進症の猫にすぐに内服薬治療をするのは危険なのか…?
甲状腺機能亢進症の治療に自信はありますか?
先生もよくご存じのとおり、甲状腺機能亢進症は高齢猫の代表的な疾患です。糖尿病、慢性腎臓病と並んで、もっとも一般的な猫の内分泌疾患ですので、先生も遭遇する機会が多いと思います。伴侶動物の高齢化が進む今の時代、ますます甲状腺機能亢進症の猫が増えることは間違いありません。そのため猫の甲状腺機能亢進症は、日常臨床上とても重要な疾患であると言えます。猫の甲状腺機能亢進症は、ほとんどの場合、定期健康診断で発見されます。
しかし、食欲旺盛なまま進行することが多い疾患のため、飼い主さんが病気と気づかないケースも少なくありません。また、一度発症したら生涯に渡って付き合っていく疾患のため、獣医師の先生には「いかに甲状腺ホルモンの分泌をコントロールし、長生きさせられるか」が求められます。しかし、治療をスタートさせたとき、獣医師の先生を悩ませる「ある問題」が発生します。
隠された慢性腎臓病を発見するには…?
甲状腺機能亢進症の猫は高齢であることが多いため、慢性腎臓病(CKD)を併発しているケースが多くあります。しかし、甲状腺機能亢進症により腎臓の血液量が増大した猫は、検査上は腎臓機能が正常に見え、慢性腎臓病の症状が隠されてしまいます。もしかすると先生も、「甲状腺機能亢進症の内服薬治療をはじめた途端、正常だった腎臓の数値が上昇して慌ててしまった」という経験があるかもしれません。これは、メルカゾールの投与により腎臓の血流が正常化され、本来の腎機能が現れることで起こる問題です。
では、もしここで先生が、教科書どおりにメルカゾールを投与し、経過観察をしたのなら? 1か月後の再検査では、慢性腎臓病はさらに進行しており、取り返しがつかないことになるリスクがあります。それどころか、尿毒症に発展する可能性も…このようなリスクを防ぐには、どうすれば良いのか? 今回、その具体的な方法を学ぶことができます。プログラムでは、猫の甲状腺機能亢進症の基礎から検査、治療、症例まで、甲状腺機能亢進症を適切にコントロールする方法が学べます。
収録内容を一部ご紹介すると…
- 最初に知っておくべき、猫の甲状腺機能亢進症の基礎
- 猫の甲状腺機能亢進症の病理発生
- 猫の甲状腺機能亢進症の発症因子とは…?
- 絶対に放置してはいけない臨床症状とは…?
- 甲状腺機能シンチグラムとは…?
- 臨床スクリーニング検査の特徴
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)は有用なのか…?
- AAFP猫甲状腺機能亢進症ガイドライン (2016)
- 病歴聴取時に重要となる質問事項とは…?
- TT4濃度の推移と読み取るべき情報
- 【症例紹介】19歳まで生存した長期観察例
- 初診時の血液生化学検査における注目ポイント
- 【症例紹介】慢性腎臓病、肥大型心筋症を合併した例
- 甲状腺機能亢進症と高血圧症
- 外科療法を考えるポイントとは…?
- 甲状腺摘出術(嚢外法)
※ご購入後すぐに、このページで本編をご視聴いただけます
- 教材内容
- 3セクション(合計205分収録)
- 特典
-
・ レジュメデータ
- Sec1: 検査と診断(72分)
- 猫の甲状腺機能亢進症/臨床症状/臨床スクリーニング検査/その他の甲状腺ホルモン/T3抑制試験/まとめ
- Sec2: 治療選択肢(63分)
- 甲状腺機能亢進症の治療選択/チアマゾール=メチマゾール 治療用量/メチマゾールの経皮投与法/血液学的異常/ヨード131療法(放射性ヨード)/ヨード制限食
- Sec3: 症例紹介(70分)
- 定期健康診断で早期発見された症例/12歳で治療開始して19歳まで生存した長期観察例/合併した症例(甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病、肥大型心筋症)/メチマゾール療法により出血傾向を示した症例/ヨード制限食 y/dによる治療例1/ヨード制限食 y/dによる治療例2
講師:竹内 和義
「さがみ中央動物医療センター」院長。日本で数少ない内分泌疾患の専門医であり、獣医師歴40年の大ベテラン。最新の内分泌疾患治療法を伝えるべく、積極的に講演もおこなっている。
なぜ、甲状腺機能亢進症の猫にすぐに内服薬治療をするのは危険なのか…?
甲状腺機能亢進症の治療に自信はありますか?
先生もよくご存じのとおり、甲状腺機能亢進症は高齢猫の代表的な疾患です。糖尿病、慢性腎臓病と並んで、もっとも一般的な猫の内分泌疾患ですので、先生も遭遇する機会が多いと思います。伴侶動物の高齢化が進む今の時代、ますます甲状腺機能亢進症の猫が増えることは間違いありません。そのため猫の甲状腺機能亢進症は、日常臨床上とても重要な疾患であると言えます。猫の甲状腺機能亢進症は、ほとんどの場合、定期健康診断で発見されます。
しかし、食欲旺盛なまま進行することが多い疾患のため、飼い主さんが病気と気づかないケースも少なくありません。また、一度発症したら生涯に渡って付き合っていく疾患のため、獣医師の先生には「いかに甲状腺ホルモンの分泌をコントロールし、長生きさせられるか」が求められます。しかし、治療をスタートさせたとき、獣医師の先生を悩ませる「ある問題」が発生します。
隠された慢性腎臓病を発見するには…?
甲状腺機能亢進症の猫は高齢であることが多いため、慢性腎臓病(CKD)を併発しているケースが多くあります。しかし、甲状腺機能亢進症により腎臓の血液量が増大した猫は、検査上は腎臓機能が正常に見え、慢性腎臓病の症状が隠されてしまいます。もしかすると先生も、「甲状腺機能亢進症の内服薬治療をはじめた途端、正常だった腎臓の数値が上昇して慌ててしまった」という経験があるかもしれません。これは、メルカゾールの投与により腎臓の血流が正常化され、本来の腎機能が現れることで起こる問題です。
では、もしここで先生が、教科書どおりにメルカゾールを投与し、経過観察をしたのなら? 1か月後の再検査では、慢性腎臓病はさらに進行しており、取り返しがつかないことになるリスクがあります。それどころか、尿毒症に発展する可能性も…このようなリスクを防ぐには、どうすれば良いのか? 今回、その具体的な方法を学ぶことができます。プログラムでは、猫の甲状腺機能亢進症の基礎から検査、治療、症例まで、甲状腺機能亢進症を適切にコントロールする方法が学べます。
収録内容を一部ご紹介すると…
- 最初に知っておくべき、猫の甲状腺機能亢進症の基礎
- 猫の甲状腺機能亢進症の病理発生
- 猫の甲状腺機能亢進症の発症因子とは…?
- 絶対に放置してはいけない臨床症状とは…?
- 甲状腺機能シンチグラムとは…?
- 臨床スクリーニング検査の特徴
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)は有用なのか…?
- AAFP猫甲状腺機能亢進症ガイドライン (2016)
- 病歴聴取時に重要となる質問事項とは…?
- TT4濃度の推移と読み取るべき情報
- 【症例紹介】19歳まで生存した長期観察例
- 初診時の血液生化学検査における注目ポイント
- 【症例紹介】慢性腎臓病、肥大型心筋症を合併した例
- 甲状腺機能亢進症と高血圧症
- 外科療法を考えるポイントとは…?
- 甲状腺摘出術(嚢外法)
講師:竹内 和義
「さがみ中央動物医療センター」院長。日本で数少ない内分泌疾患の専門医であり、獣医師歴40年の大ベテラン。最新の内分泌疾患治療法を伝えるべく、積極的に講演もおこなっている。
- 収録内訳
- 3セクション(合計205分収録)
- 特典
- レジュメデータ
- Sec1:検査と診断(72分)
- 猫の甲状腺機能亢進症/臨床症状/臨床スクリーニング検査/その他の甲状腺ホルモン/T3抑制試験/まとめ
- Sec2:治療選択肢(63分)
- 甲状腺機能亢進症の治療選択/チアマゾール=メチマゾール 治療用量/メチマゾールの経皮投与法/血液学的異常/ヨード131療法(放射性ヨード)/ヨード制限食
- Sec3:症例紹介(70分)
- 定期健康診断で早期発見された症例/12歳で治療開始して19歳まで生存した長期観察例/合併した症例(甲状腺機能亢進症、慢性腎臓病、肥大型心筋症)/メチマゾール療法により出血傾向を示した症例/ヨード制限食 y/dによる治療例1/ヨード制限食 y/dによる治療例2