なぜ、余命約8.5ヵ月の犬が、元気に走り回れるまで回復できたのか?

僧帽弁閉鎖不全症の内科治療の限界

僧帽弁閉鎖不全症は、僧帽弁の弁閉鎖機能が障害されることにより、僧帽弁逆流を引き起こす疾患であり、獣医療で日常的に遭遇することの多い心疾患です。特に、粘液腫様変性に起因する僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬に頻発し、我が国において犬の主要な死因のひとつとなっています。粘液腫様変性性僧帽弁閉鎖不全症は、弁尖の変形、腱索の断裂や伸長、弁輪の拡大から逆流量が徐々に増加し、慢性的な咳や活動性の低下、肺水腫による呼吸困難といった症状を示し、最終的には心不全により死に至ります。

現在、犬の僧帽弁閉鎖不全症に対して、一般的に内科治療がおこなわれておりますが、心不全を呈するまで進行した僧帽弁閉鎖不全症の内科治療は、困難を極めることに加え、物理的に変性した僧帽弁を内科治療で完全に元どおりにすることはできません。そこで今、外科手術によって僧帽弁閉鎖不全症を治療する方法に注目が集まっています。外科出術に成功すれば、飼い主さんとペットは投薬の負担も減り、肺水腫に悩むこともなくなるでしょう。

一発逆転が期待できる僧帽弁形成手術

僧帽弁閉鎖不全症が進行し、肺水腫を起こすまでに至った犬の余命は平均1年以内と言われています。これは、重度に変性した僧帽弁を薬で完全に回復させることはできないから。しかし、外科手術によって僧帽弁を再建させてあげることで、術後2年が経過しても元気に飼い主さんと暮らせるようになった動物がたくさんいます。

愛犬と少しでも長く暮らしてもらうには

僧帽弁閉鎖不全症は、我が国で人気が高い小型犬にて好発する心疾患であり、高齢になるほど発症のリスクは高まります。そのため、長年連れ添った愛犬が僧帽弁閉鎖不全症に罹ってしまい、治療したいと悩んでいる飼い主さんがたくさんいます。もちろん、従来どおりの内科管理による治療をおこなうことも選択肢のひとつですが、「外科手術による治療法」があることを飼い主さんに提案するのも、動物病院としての役割ではないでしょうか。

内科と外科による治療法を詳しく解説します

僧帽弁閉鎖不全症は、複雑なメカニズムにより発生するものであり、重度に進行した場合、内科治療をおこなうだけでも、その治療法の選択に苦慮することも多い疾患です。「僧帽弁閉鎖不全症とは、どんな病気なのか」「僧帽弁閉鎖不全症の一次診療は、何をするべきなのか」「内科治療を続けるべきか、外科手術(二次診療)を勧めるべきかの判断」など、来院した飼い主さんへ正しい検査・治療を提案するために必要な情報を映像プログラムにて詳しく解説していますので、ご覧いただければ、明日からの診療にお役立ていただけます。

「犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療戦略」の内容とは…?

  • 弁尖異常だけではない、僧帽弁閉鎖不全症の定義
  • 原因別による僧帽弁逆流の分類
  • 僧帽弁閉鎖不全症は、どのように進行するのか?
  • 僧帽弁閉鎖不全症の診断と治療のガイドラインについて
  • 僧帽弁閉鎖不全症を、より理解するために
  • 僧帽弁閉鎖不全症の検査所見
  • うっ血を評価し、治療に役立てる
  • うっ血性心不全に対するピモベンダンの有効性
  • 血管拡張薬、利尿薬の使い方について
  • 多彩な治療効果が期待できる、カルペリチドとは
  • 肺血管拡張薬の使用に注意!
  • 肺水腫となったら平均余命は1年以内。内科管理の限界…
  • 僧帽弁形成術の適応基準
  • 手術を避けるべき疾患
  • 僧帽弁形成手術のリスク要因
  • 僧帽弁形成術の流れ
  • 僧帽弁形成術の合併症
  • 当院における僧帽弁形成術の治療成績
  • 外科手術で、僧帽弁逆流をどこまで改善させてあげることができるのか?
  • 症例紹介

なぜ、余命約8.5ヵ月の犬が、元気に走り回れるまで回復できたのか?

僧帽弁閉鎖不全症の内科治療の限界

僧帽弁閉鎖不全症は、僧帽弁の弁閉鎖機能が障害されることにより、僧帽弁逆流を引き起こす疾患であり、獣医療で日常的に遭遇することの多い心疾患です。特に、粘液腫様変性に起因する僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬に頻発し、我が国において犬の主要な死因のひとつとなっています。粘液腫様変性性僧帽弁閉鎖不全症は、弁尖の変形、腱索の断裂や伸長、弁輪の拡大から逆流量が徐々に増加し、慢性的な咳や活動性の低下、肺水腫による呼吸困難といった症状を示し、最終的には心不全により死に至ります。

現在、犬の僧帽弁閉鎖不全症に対して、一般的に内科治療がおこなわれておりますが、心不全を呈するまで進行した僧帽弁閉鎖不全症の内科治療は、困難を極めることに加え、物理的に変性した僧帽弁を内科治療で完全に元どおりにすることはできません。そこで今、外科手術によって僧帽弁閉鎖不全症を治療する方法に注目が集まっています。外科出術に成功すれば、飼い主さんとペットは投薬の負担も減り、肺水腫に悩むこともなくなるでしょう。

一発逆転が期待できる僧帽弁形成手術

僧帽弁閉鎖不全症が進行し、肺水腫を起こすまでに至った犬の余命は平均1年以内と言われています。これは、重度に変性した僧帽弁を薬で完全に回復させることはできないから。しかし、外科手術によって僧帽弁を再建させてあげることで、術後2年が経過しても元気に飼い主さんと暮らせるようになった動物がたくさんいます。

愛犬と少しでも長く暮らしてもらうには

僧帽弁閉鎖不全症は、我が国で人気が高い小型犬にて好発する心疾患であり、高齢になるほど発症のリスクは高まります。そのため、長年連れ添った愛犬が僧帽弁閉鎖不全症に罹ってしまい、治療したいと悩んでいる飼い主さんがたくさんいます。もちろん、従来どおりの内科管理による治療をおこなうことも選択肢のひとつですが、「外科手術による治療法」があることを飼い主さんに提案するのも、動物病院としての役割ではないでしょうか。

内科と外科による治療法を詳しく解説します

僧帽弁閉鎖不全症は、複雑なメカニズムにより発生するものであり、重度に進行した場合、内科治療をおこなうだけでも、その治療法の選択に苦慮することも多い疾患です。「僧帽弁閉鎖不全症とは、どんな病気なのか」「僧帽弁閉鎖不全症の一次診療は、何をするべきなのか」「内科治療を続けるべきか、外科手術(二次診療)を勧めるべきかの判断」など、来院した飼い主さんへ正しい検査・治療を提案するために必要な情報を映像プログラムにて詳しく解説していますので、ご覧いただければ、明日からの診療にお役立ていただけます。

「犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療戦略」の内容とは…?

  • 弁尖異常だけではない、僧帽弁閉鎖不全症の定義
  • 原因別による僧帽弁逆流の分類
  • 僧帽弁閉鎖不全症は、どのように進行するのか?
  • 僧帽弁閉鎖不全症の診断と治療のガイドラインについて
  • 僧帽弁閉鎖不全症を、より理解するために
  • 僧帽弁閉鎖不全症の検査所見
  • うっ血を評価し、治療に役立てる
  • うっ血性心不全に対するピモベンダンの有効性
  • 血管拡張薬、利尿薬の使い方について
  • 多彩な治療効果が期待できる、カルペリチドとは
  • 肺血管拡張薬の使用に注意!
  • 肺水腫となったら平均余命は1年以内。内科管理の限界…
  • 僧帽弁形成術の適応基準
  • 手術を避けるべき疾患
  • 僧帽弁形成手術のリスク要因
  • 僧帽弁形成術の流れ
  • 僧帽弁形成術の合併症
  • 当院における僧帽弁形成術の治療成績
  • 外科手術で、僧帽弁逆流をどこまで改善させてあげることができるのか?
  • 症例紹介

講師:森 拓也
愛知県 茶屋ヶ坂動物病院で犬における心臓外科を学び,その後獣医師として日々診療に携わる傍ら、順天堂大学医学部心臓血管外科に所属。天野篤教授に師事し、獣医療における心臓外科の確立を目指す。2019年より、JACCT動物心臓血管ケアチームを設立し、日本各地で犬の僧帽弁閉鎖不全症の手術をおこなっている。

収録内訳
3セクション(合計165分収録)
特典
レジュメデータ

Sec1:僧帽弁閉鎖不全症の病態生理学(53分)
僧帽弁閉鎖不全症とは?/僧帽弁閉鎖不全症の内科管理/慢性MRの病態を考える(StageA/B1/B2/C/D)/僧帽弁閉鎖不全症を評価する/左房径、左室径の評価
Sec2:僧帽弁閉鎖不全症の治療戦略(内科編)(52分)
EPIC trial、EPIC2、ピモベンダンに関して/血管拡張薬/利尿剤/慢性MRの病態を考える、併発する疾患/卵円孔開存/MRに続発する肺高血圧症について
Sec3:僧帽弁閉鎖不全症の治療戦略(外科編)(60分)
内科管理の限界/心疾患に関連した問題/僧帽弁形成術の実際(体外循環法/低体温麻酔法/心筋保護法/僧帽弁形成術)/術後編(合併症/MRの制御/三尖弁逆流/咳・呼吸状態)/症例(Stage D/Stage B2/Stage C/逆流の残存/内科的治療継続)/僧帽弁形成術のススメ
販売価格:39,980円+税